母の解体、母の殲滅、母の再構築、母の誕生、増え続ける新種の母。何と陰湿で執拗で健気で律儀で不毛で切実な作業である事か。深く根付いてしまっているもの(腐りかけ、大変に鬱陶しいもの、人を不当に抑圧するもの、捩じ曲げるもの、だのに根付いてしまっている為に、腐りかけている事にさえ中々気づく事が出来ない、しかもそれはその抑圧の内にいる側の人間であっても)を壊して行く大変さ。作り変えて行く難解さ。そりゃあおぞましい光景にもなる。
兎に角もう無茶苦茶だ、しかしその容赦のなさが自分は好きだ。
笙野 頼子
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