詮索したり、深入りしたり、追っかけたり、やっきになったり、善し悪しや正否を判断したり、変に手を加えてみたりする事のなさ。立ち上って来るのはベタベタした所のない、小ぶりであっさりとした、好きや嫌い、気持ちいいや気持ち悪い。その嬉しいこと。安心する。ただ自らであるだけの、それ以上にもそれ以下にもならない、なろうとしないものたちばかりが登場する花さんの本を読むと。
クリスマスの仮装パーティー、笑う。毛皮のコートの話、笑う。不思議な人が不思議なまま、いる。時には近付いて来る。花さんは憮然とするような目に合う。申し訳ないけれど、妙に可笑しい。花さんの反応も含め。悲しいくらいに、可笑しい。