2016年10月1日土曜日

森茉莉『紅茶と薔薇の日々』

食エッセイ集。ほぼ既読。けれどまとめて読むのも楽しい。またそれ食べるのか、それ好きなのだなあ〜愛しているのだなあ〜と思う。何と言う食いしん坊っぷり。貴族の舌を持つが故に。美味こそ喜びであるが故に。その舌が喜びで満ちる至福の瞬間に対しては。その舌を喜びで満たす至福に対しては。驚くほど貪欲であり、熱心であり。それも果てのない、無尽蔵な類の貪欲さであり、熱心さであり。
分け与えるだとか、共に味わうだとか。そう言ったものではなく。欲しがり、独り占めし、ただ享受する。こだわり、徹底し、叶える。叶わぬ事に怒る。何と言う食いしん坊っぷり。食を語る時。楽しさを。嬉しさを。描き出す事で堪能するかのよう。繰り返し繰り返し、堪能し続けているかのよう。



紅茶と薔薇の日々: 森茉莉コレクション1食のエッセイ (ちくま文庫)
森 茉莉
筑摩書房
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