自分にとってはずっと、自分の場所ではない場所。この先もずっと、自分の場所にはならない場所。旅の途中しばしば、自分は自分の居所を見失う。変に浮き足立ってしまったり、むず痒いような居心地の悪さに、幾度となく見舞われる。違和感も気がかりも、彼等のそこかしこにあり、けれどそのどれもが不用意に触れるべきものではない気がして。そのどれもが沼のように深く、自分の手には負えないものである気がして。
決まりの悪いを何度もする。居心地の悪さはしぶとくつきまとう。恐ろしくて楽しい旅が、それ故に忘れ難いものとなる程に、何度も、しぶとく。