自らの心を偽る術を、何一つ持たぬまま、自らの糧となるべきものを求め、ただ純粋に、それだけを求め、彷徨い続けるものたち。性の欲望にのみ、現実へと繋ぎとめられている女性の姿があった。男を愛する瞬間、己が身を襲い来るもののためにのみ、彼女は生き続ける。だが、それは同時に、誰かを、近しいものを、見知らぬ誰かを、絶えず誰かを、傷つけながら、生きて行かなくてはならないということ。
焦燥と寂寥、憂鬱に侵された荒涼。衣を纏わぬまま、渇いた現実に身を晒すことの、遣る瀬無さ。彼等の心に吹き荒ぶ、諦めと虚しさの風。皮膚を刺し、癒えることのない、哀しみの深さを、伝える。