多和田葉子を読む事の面白さを言葉にする難しさ…。不毛で細かくていちいち気になって気になる事ばかりで見過ごさなくて容易ではなくて引っかかりが多くて定まらなくて不安で不安定で振り返る暇がなくて戻れなくて落ち着かなくてそわそわしてしまって、いつもすぐさま連れて行かれてしまう。
ずっと探し続けているようで、彷徨し続けているようで、試み続けているようで、取り留めがなくて、キリがなくて、全然見つからなくて、掴めなくて、決めてしまえなくて、それこそ山のようにあって、次から次へとあって、切れ目がなくて、終わらなくて、面白い。ざわつく。目からウロコが落ちたりする。何にでもなるわたし。形を変え、形を失い、形のないものにさえなる。どこへでも行くし、どこまでも行くし、どこへも行けない。