芯から出るこの物言いの素敵さ。これが平素より出てくる言葉だとか、素敵過ぎる。言い慣れている感が凄い。畳み掛け方が流麗と言うべきか。ひい〜〜とビクつきながらも読んでしまう。「むずむず日記」なんてもう、おしまい付近の数行で二度噴き出してしまう。ひどい、ひどい、けれど痛快…!みたいな。
あてこすりなどと言う可愛いものではない。嫌味につつきまわすと言うが、その一打一打がイチイチ強力過ぎる。ずっと強力な一打が続く。隙間なく辛辣。言いよどむような、仕損じるような半端さとは無縁。呑気さとも日和見とも無縁。こう、なんと言うか、しょっぴいている。醜悪さやら滑稽さやら、次々暴き立て、嘲笑い…何だか捕り物劇のそれに似た快さがあるような。…それより大分毒を持ったものではあるのだけれども。
一つの物事になにか色々くっついていて、でてくるでてくる。一つの引き出しの中にいっぱい入っている感じ。何か一つ取り出そうとすると、それ以外にも沢山(中にはそれと同程度の嵩を持つものだってある)くっついてくる感じ。全然ゆっくり読めない。読んでしまわないと気が済まない。