そして多くの囀りに乗り、驚くほど容易く広まって行くそれ。無責任で軽く、それ故にどこまでも飛び、如何様な形にもなり得る囀り。みなそれを真実として信じると言うよりも、気に入れば、それが真実である事を選ぶ。自身の好奇心や興味を満たすものを真実として、選び取る。気ままであるが故に厄介な取捨選択。それが蔓延り続ける事の、自分自身もまた今その内にある事の、何と滑稽で怖いことか。しかしお話はどこまでも瀟洒。意外な綺麗さ、安定の滑らかさを愉しむ。
佐藤 亜紀
講談社 (2013-12-13)
売り上げランキング: 120,635
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