そこはもう、地獄のようだ。トンデモ感満載、稚拙さ爆発の。大いに笑い、大いに引く。元々の禍々しさを際立たせるために施した強化と着色。結果そこは地獄であり、敵なぞは皆もう、その何もかもがおぞまし過ぎて見るに耐えない。酷いと言いつつ笑う。笑いつつ確かに混じる事実に引く。しかし当然のように続く猛攻に安堵。悲嘆や叫び、或いは決意と言う形をした、煽り効果抜群の揶揄。憤怒、呆れ、嘲り、悪意…たっぷりと含み、言葉は最早武器。爛々と輝いている。凶悪なまでに。毒々しく。白々しく。
嘲るべき愚かさを炙り出し。抗うべき理不尽さを浮き彫りにし。容赦なく打破する。徹底的に粉砕する。笙野頼子がいるので大丈夫。笑いと怖気と痛快さと不安の中、最後は結局そう思う。
河出書房新社 (2014-07-12)
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