2016年9月24日土曜日

『金井美恵子エッセイ・コレクション2 猫、そのほかの動物』

猫を書く時。言葉のすべてが猫への愛(無償の)と、猫の可愛さを象るもの。それを表すもの。よさだけでなく、猫の獰猛さであるとか、猫と共にある事の苦労や不自由さであるとかを挙げていてもそう。可愛いと直接言っていなくてもそう。容姿、動作、慣習。何て事のない事。猫を象る言葉の何もかもがそのまま猫の可愛さと、猫への愛を象っているもの。猫を象る=猫愛を象る。書けば書くだけ愛。とんでもない強靭さを持つ惚気。猫と言う生き物そのものを愛しているのだなあ、とわかる。言葉より愛がだだ漏れ、と言うよりかは言葉自体が愛の塊、と言った感じであると今回改めて。
わかる、と言う感覚。一つの物事に色々くっついていて、そのくっついているもの達を取り出して。そうやって再現する。それを見ればわかる。理解するより先に、笑いや感嘆が出る、と言うようなわかり方をする。