人を楽しませるためにあるのではない(当たり前過ぎるが)もの達と、善し悪しで彼等を語るつもりのない言葉。不恰好であったり、不揃いであったり。でこぼこしていたりするそのままをおさめる。言葉にする。そこに溶け込む自分も含め。自分も溶け込む子供時分の印象深い光景を切り取る際。子供の私、と武田花は言う。その語り方が何だかとても好きだ。
中途半端な紛い物である事を許さぬようなごつごつとした言葉にいきなり遭遇してもう夢中。うおっ、となった。好きになるとは思っていたが、本当に好きになってしまった。すぐ好きになってしまった。