愚かであり滑稽であり淫靡である様相。見たくないもの、認めたくないものの多さ。嫌になる。馬鹿げているとさえ思う。満たすため使い尽くしたその残骸の山。絶えず流し込まれ、胸が焼ける。飲み込み難く、消化し難い熱が滞る。苦しみ、喜ぶ、剥き身の蠢きに触れる嫌悪と痛快さ。圧倒され、声を失う。吐き出す事も出来ない。
付録が金井美恵子と矢川澄子による書評で大いに喜ぶ。お宝だ。お宝が増えた。
矢川澄子はジョイス・マンスールが羨ましいと言う。妬ましいと言う。それがとても悲しい。矢川澄子の枷は堅牢であり過ぎる。頑なであり過ぎる。自分自身と言う枷。そして抗うには繊細であり過ぎたのではないか。