やはりと言うべきか、萩原朔太郎が印象深い。その付き合いがどれだけ長く、己が身と人生に染み付いてしまう程に長く、欠かせないものであったか。好ましいものであったか。読めば自ずとわかるような。呼びかけとてもいい。萩原よりも十二年も横着に生きのびた、の後に続く。
友人達の妻や娘、愛人をもその執拗さを以って語る辺りもまた犀星と言う感じ。犀星の目は怖い。見て欲しくない所を注視する。見る相手が女性である場合、殊更にイヤラシイ。けれど詩人達の人生の中で、彼女達が如何に重要な存在であったかを語る言葉には何と言うか。優しさがあった。詩人達に抱く愛情と同等の優しさが。
室生 犀星
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