熱を、喜びを帯びた言葉の、調べの、快い事。広々と開放的な、見渡す限りどこまでも、遠く、遥か彼方まで続く、悠久の広がりにも似た、その詩の。快い事。此方もまた語り手の至福に導かれ、いずれも容易に、国を越え、時代を越え、自在に飛翔し、四方よりかの世界を眺め、その深遠さ、その豊饒さを感じる、贅沢な時を過ごす。
その内より溢れ出る知識の量、愛の量。膨大な事。どれだけ息づいているのだろうか、と思う。どれだけ深いのだろうか、と思う。最早多田智満子自身が、その言葉自体が魅惑と化している。繰り返し、繰り返し、楽しみ、飛翔したのだろう、と思う。
多田 智満子
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