ページをめくる喜び。甘く、慕わしく、密やかなあの喜びは。ページをめくり、読む、と言う行為は。ページをめくる、”今”だけで完結してしまうものなどではなく。また次の物語へと繋がって行くもの。時には意外な、かなり遠い所にまでも飛んで行き。時には何か別の、思わぬ情景を運んで来たりもするもの。やがて再び同じ物語へと私を導き。懐かしさで、愛おしさで、或いは驚きや失望で、私を満たして行くもの。
しかし殆どが石井桃子訳と言う凄さよ…。一層憧れが膨らむ。あの喜びも、あの快さも、辿って行けば確かに、石井桃子がいる。