流動的なもの。瞬間的なもの。絶えず変わり行く様さえ。途切れる事なく続いて行く様さえ。手のつけようのなさ、救いようのなさと言ったものでさえ。手抜かりなく、妥協する事なく捉える。表現する。既に慣れ親しんだものを語るような、その綿密さ。それこそすべてを、ひとまずは受け入れて来たのではないか、と思う。ひとまずは受け入れ、己が身を以って感じ、探り、具に調べ、こだわり、幾度となく試み、研磨し、作り変え、自らのものにして来たのではないか、と思う。
あの日記が未だに尾を引いている。原素材。日記こそが。小説は原素材からの副産物、落穂ひろいに過ぎないと言う言葉の意味を思い知る。
アナイス ニン
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