結局最後まで付き合ってしまった、と言う感じ。終始心配であった。よした方がいいよ…帰ろうよ…と何度も思ったのだけれども。何せ目が離せない。是が非でも転がり着く所まで付いて行かなくては…と言う気になってしまった。当初まだ何となく明確さを保っていた輪郭が、どんどんぼやけていって、進めば進むほど、変に混ざっていって、変に濃くなって、強くなって、とんでもなく壮大なものに膨らんでいった主人公の復讐。けれど萎むのは本当に一瞬の事であると言う…。
もう彼のものではなくなってしまったそれ。後で振り返ってみても恐らくは、自らのものであったと思えぬようなそれ。何という容易さ、呆気なさ。感傷さえ、虚しささえ覚えぬ鮮やかな最後であった。
レオ ペルッツ
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