『金毘羅』と言う救済、祈り、個人信仰、神話リライト、一代記、進化、脱皮、覚醒、強化、頂点、至高、要塞、完成形、完全体、カウンター神、抗うもの、戦い続けるもの、こぼさぬもの、見逃さぬもの、軽んじられ、ないものとされたもの達の声を聞くもの、ごく小さな祈りを聞くもの、見えなくされたもの達の姿を見るもの、見えるようにするもの、正体、答え、何でもありのもの、訳わからんもの、くくれぬもの、まとめ得ぬもの、矮小化出来ぬもの、食ってしまうもの、乗っ取るもの、奪還するもの、取り戻すもの、消えぬもの、消せぬもの、滅びぬもの。最強。自分には笙野頼子が、笙野頼子の書く、この壮大で骨太で強靭なフィクションが必要なのだ。
頂点めいた輝き。けれどここにはもう、笙野頼子はいないのだ。既にいない。とうにいない。とうに超えて行ってしまっている。どう見ても頂点であるのに。完全体であるのに。それが何よりも凄いと思う。笙野頼子の凄み。常に新しく、常に超えて行く。