2019年11月2日土曜日

笙野頼子『金毘羅』再読の記録

『金毘羅』と言う頂点…。最強…。生きて行くにはやはり、笙野頼子が必要であると思う。どんどん強くなって行く…。強固に輝いている。網羅する。見逃さない絶対に。余す所なく掴んで固めて行く。是正する。解きほぐす。書き換える。無力化する。確立する。確立する様を目撃していると言う感覚。確立して、更にそこを超えて行く。覚醒。脱皮。強化。完全体化。すべて言葉を以って。やってのける。言葉を際限なく駆使して。やってのける。力強く、激しく、けれど冷静に、至極冷静に。やってのける。
『金毘羅』と言う救済、祈り、個人信仰、神話リライト、一代記、進化、脱皮、覚醒、強化、頂点、至高、要塞、完成形、完全体、カウンター神、抗うもの、戦い続けるもの、こぼさぬもの、見逃さぬもの、軽んじられ、ないものとされたもの達の声を聞くもの、ごく小さな祈りを聞くもの、見えなくされたもの達の姿を見るもの、見えるようにするもの、正体、答え、何でもありのもの、訳わからんもの、くくれぬもの、まとめ得ぬもの、矮小化出来ぬもの、食ってしまうもの、乗っ取るもの、奪還するもの、取り戻すもの、消えぬもの、消せぬもの、滅びぬもの。最強。自分には笙野頼子が、笙野頼子の書く、この壮大で骨太で強靭なフィクションが必要なのだ。

頂点めいた輝き。けれどここにはもう、笙野頼子はいないのだ。既にいない。とうにいない。とうに超えて行ってしまっている。どう見ても頂点であるのに。完全体であるのに。それが何よりも凄いと思う。笙野頼子の凄み。常に新しく、常に超えて行く。



金毘羅 (河出文庫)
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笙野 頼子
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